コラム

C-ROW代表の坂本が、業務に関係なく思いのままにコラムとして綴ります。

2013年4月15日 コラム一覧に戻る

ファシリテーター私考①

自分ではまだまだハナタレ小僧ですが、ファシリテーターという役割でお仕事をする機会も多いので、ここでファシリテーターについて自分なりに思いや考えを書いてみようと思います。
■私とファシリテーターの出会い
私はもともと都市計画やまちづくりといった建築系を専攻し、学生時代に手にした「都市開発を考える アメリカと日本」という本で「ファシリテーター」という職能に興味をもちました。そして、都市計画分野におけるファシリテーターでの草分け的存在がいる職場(世田谷まちづくりセンター)で運良く7年間働くことができました。
その職場では、住民参加会議の企画づくりから、当日の進行、成果の取りまとめや関係者との調整という仕事を行っておりました。
ファシリテーターと自分でいうのは何となくおこがましくて、今もってためらいがあるのですが、15年以上仕事をしてきて、だんだんいろいろなファシリテーターないしはファシリテーションの世界の奥深さや広がりを目にするようになりました。
■都市計画分野のファシリテーターは中心ではなかった?!
自分では、ファシリテーター=住民参加型まちづくりでの多様な主体の調整・推進役として認識していたふしがあり、住民参加型まちづくりでさまざまなファシリテーターに出会いました。皆さん大変才能があふれ、いまだに一緒にお仕事させてもらうと、すごく勉強になります。
でもそれってたくさんあるファシリテーターの一分野に過ぎないと気づかされました。
それが、Y150横浜開国博覧会でのチーフファシリテーターとしての仕事でした。 チーフファシリテーターはその他に4人居ましたが、私のように都市計画分野の人は一人もおらず、びっくりしました。えぇ、他の分野でも活躍している人がいるんだ!
そして、芋づる式にいろんなファシリテーターに出会いました。環境教育からファシリテーターをする人、ファシリテーターとして多分野で活躍する人などなど。
参加する人の主体性を引き出すという点では共通するのでしょうが、出発点もゴールも違う。それは、自分自身の研鑽にも大きくつながりました。
■サカモト的都市計画ファシリテーターの特徴
さまざまなファシリテーターに会うことで、自分の出発点である都市計画ファシリテーターの特徴が見えてきました。
「そうかぁ?!」と思われる方もいるかも知れませんけれど、あえてちょっと以下に挙げてみたいと思います。
1)グラフィカルな表現が得意である
建築系の人が多いせいでしょうか?ファシリテーショングラフィックと呼ばれる会議の記録術でも、その表現力とまとめ方はやはり秀でるものがあります。
「板書」と呼ばれる発言の記録にとどまらず、論点をわかりやすく構造化して見せたりすることが得意です。
私も毎回勉強させられます。
2)会議の中心的役割となるケースが多い
私は長らくそれが当たり前だと思っていました。記録をとり、参加者一人一人に対して発言を促すように投げかけたり、まとめたり。そうすることで、参加者が頭が整理されて、次のステップに進める手助けができていると。
その考えを見事に打ち破られたのが、あるプロジェクトでファシリテーター同士で行う事前会議シミュレーションの時でした。「ぜんぶファシリテーターに整理されてしまうと、思考停止になってしまう。」
「がーん!」ぜんぶやってあげること、きれいにまとめることが、ベストなファシリテーションではないと気づかされました。
ただ、どうしても都市計画で活躍するファシリテーターはいろいろ世話を焼いてしまう結果、結局会議の中心にいて、ファシリテーターがいないと回っていかないというケースが多いような気がします。
3)打たれ強い
都市計画分野では様々な主体が集まり話し合ったり、プロジェクトを進めるにあたっては、利害が相反する人が集まるのが当たり前。要望要求があって当たり前と思っているので、中立的な立場のファシリテーターとしてプロジェクトのお手伝いをしても、非難される場面は少なくありません。
でも、他の分野では、あるテーマに共感して集まってきている人での研修やプロジェクトでのファシリテーターだったりするので、そんな場面で避難するような人はそもそも来ないというわけで、そんなことが意外に感じました。
なので、心の中では傷つくも、打たれることへの耐性は強いような気がします。まあ、キャラクターにも依ってくるとは思いますが。
その他にも特徴がありそうですが、また折を見て、ファシリテーターということについて書いてみたいと思います。
ここではあえてファシリテーターの定義はしません。よければ用語解説などのページをご覧いただければ幸いです。

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ファシリテーターとして多くの「まちづくり」「ワークショプ」に参画するプロフェッショナル「C-ROW」

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